文章力の差は細部に出る
ニワトリは空を飛べないので地面の虫などを食べます。
雀は空を飛べるので「 」
「」の中を埋めて下さいという問題を出すとほとんどの子は
- 「飛んでいる虫を食べます」
- 「樹の上の虫を食べます」
と答えると思います。
文法的には間違いではありませんが、文章全体を考えるともう一歩踏み込みたいところです。
雀は空も飛べますが、地面に降りて来る事も出来るので、地面の虫も食べる事が出来ます。
例題では二つの文章は対比の関係にあります。
つまり前文と対比させて文を作る場合は、
「飛んでいる虫も食べます」
「樹の上の虫も食べます」
がより正しい答えになります。
ちょっと意地悪な問題ですが、全文を通して読むと
ニワトリは空を飛べないので地面の虫などを食べます。
雀は空を飛べるので飛んでいる虫を食べます。
ちょっと違和感がありませんか?
感じない人は感じないかもしれません。
言葉の違和感は人によりセンサーが異なるものです。
ただ、言葉のセンサーに敏感だと、ちょっとした違和感に気付きそれを正す事が出来ます。
ニワトリは空を飛べないので地面の虫などを食べます。
雀は空を飛べるので飛んでいる虫も食べます。
こっちの方がしっくり来ます。
こういった言葉のセンサーを磨くには文章を書く練習が適しています。
読んでいる時には気付かない違和感が書くと気になります。
条件を満たす文章を考える力
ニワトリは空を飛べないので地面の虫などを食べます。
雀は空を飛べるので「 」。
だからニワトリより雀の方が「 」と言える
一行増えました。
さてどんな言葉を入れるといいでしょうか?
正解は沢山あると思いますが、ポイントは
- 雀の方がニワトリよりとなっているので雀に注目
- 前文で虫を食べる事に触れているので虫を食べる事も重要
食べられる範囲が多いのですから「いろいろな虫が食べられる」という答えが成立します。また空を飛びながらは大変だなと感じれば「体力がいる」という答えも良いでしょう。
二つの条件を満たすような文章を考えるというのも大切なトレーニングです。
実は文章を書くということはこういった、細かい関連性や連続性を意識しならがら言葉を選ぶ訓練です。単純な様ですがものすごく頭を使います。
この問題は実は小学生向けに作られた問題をアレンジしたものです。
当初は中学生の長女はこの問題で苦戦していました。
文章力は言い換えれば思考力です。一朝一夕にはつきません。
毎日、挑戦していれば、自然に考える力が磨かれて解けるようになってきます。