成績は悪いけどどうしても公立高校に進学したい。
そう願っている中学生や保護者の方は少なからずいると思います。
少なくとも一年前の私がそうでした。
- 必死になって勉強する
- 夜遅くまで頑張る
それも大切な事ですが、もっと大切な事は「公立高校入試の仕組み」を受験生とその保護者が理解する事です。公立高校入試の仕組みを知る事が合格への近道だと言えます。
陸の方向を確認せずにどれだけオールを漕いでも船が港につくとは限らないのです。
入学試験で必要な点数はひとりひとり違う
同じ中学から同じ公立高校を目指すとしても、合格に必要な点数は一人一人違うという事をご存知でしょうか?
公立高校入試の仕組み
公立高校入試の合否を決める採点方法は都道府県毎に異なりますが、一般的に調査票(内申書)と呼ばれる中学での成績と入試考査の点数の合計で合否決まります。
調査票(内申書) + 入学試験の点数 で合否が決まる
つまり、調査票の成績が良いと入学試験で取らなければならない点数が下がります。
逆に調査票の成績が悪ければ入学試験でその分点数を取る必要があるのです。
調査票(内申点)の重要性
多くの都道府県の公立高校入試では調査票の評価と入学考査の評価は50:50です。
つまり調査票(内申点)の成績が半分を占めるという事です。
調査票の成績は主要5教科だけでなく副教科の成績も含まれます。
都道府県により主要5教科と副教科(4教科)の扱いが異なります。
主要5教科より副教科の成績を重視する都道府県が多くあります。
調査票の対象になる期間も都道府県毎に違います。
中学3年生の成績のみを対象にする都道府県が主流ですが中学1年、2年の成績も対象になる都道府県もあります。
お住まいの都道府県で調査票(内申点)がどのように扱われ、合否にどれくらい影響するのかを知っておく事はとても重要です。
調査票の成績だけで合否が決まるわけではありませんが調査票の成績が一つ上がるだけでも本番の入試が楽になりますし、受験出来る学校の選択肢も増えます。
挽回が可能なら一つでも二つでも上げる努力をする事をおススメします。
合格ラインを意識しよう
公立高校入試は調査票の成績と入試の成績を合算した数字で順位付けされ、上から定員までが合格となります。
合格ラインは毎年変わりますが、概ね何点くらいという相場があります。
この合格ラインの点数は中学校、塾などが知っています。
これは過去に受験した生徒が、何点で合格し、何点で不合格だったかというデータを集めたものがあるからです。
中学校の担任や進路指導の先生に確認すればおおよその目安を教えてくれます。
塾に通っているなら塾の先生からアドバイスがあるでしょう。
中学の担任が具体的な数字を教えてくれない、塾に通っていない場合もあるでしょう。
教えてくれなくても進学塾のホームページなどに載っていることもありますので検索してみましょう。
出来れば一つだけでなく、複数の情報源からの数字を検証しましょう。
またその数字を鵜呑みにするのではなく10点、15点程度は安全ゾーンを見た方が良いでしょう。
合格ラインが解れば、調査票の点数を引き算すれば、入試で何点必要かが解ります。
後はその点数を取る為の勉強をするだけです。
何もトップで合格する必要はないのです。 主席で合格も最下位で合格も合格は合格です。
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ゴールを決める事が大切
合格ラインから調査票の成績を引き、入試で必要な点数が解ればそれがゴールです。
過去問や模試を活用して、入試考査で目標とする点数が取れるのか、取れなければどうすればその点数に届くのかを研究する事がポイントです。
公立高校入試では難関校もそうでない学校も試験問題は同じです。
難関校に行きたいなら、より多くの問題を解く必要があります。
しかしそうでないなら全ての問題を解く必要はないのです。
目標とする点数を出来るだけ基礎的な問題を解く事で確実に稼ぐ事が合格への近道です。
試験範囲も広いので出題される単元によっては点数が上下するのも仕方ない部分がありますが、平均点または最低点で合格ラインを上回るように準備することが大切です。
一点でも多くと闇雲に勉強する事も、寝る間も惜しんで必死で勉強することも間違ってはいません。しかし、そんな努力を入試まで続ける事が出来るでしょうか?
心が折れたり、体調を崩して勉強が出来なくなるリスクもあります。
合格に必要な点数は一人一人違います。
だから必要な勉強量も一人一人違うのです。
解かなければならない問題、解けなくても合否に関係ない問題は一人一人違うのです。
受験勉強はあなたの合格ラインを知り、確実にそれを越える勉強をすれば良いのです。